スプレッドで選ぶFX業者
取引をする額(取引数量)が多くなればなるほど、
スプレッドの違いが取引成績に及ぼす影響が大きくなります。
たとえば、10万通貨を取引する場合、
スプレッドが0.3銭の業者と3銭の業者では、
取引時点で2700円ものスプレッドの差(手数料に相当)があります。
また、スキャルピング等の短期トレードでの売買を繰り返す場合にも、
スプレッドの影響が収益に大きく効いてきます。
ドル円やユーロドル等の主要通貨ペアは、多くの証券会社でスプレッドの差が
それほど大きくないのですが、
クロス円や外貨同士の通貨ペアの取引を行う場合、
特にマイナー通貨ペアの取引を行う場合には、
業者によってスプレッドの差が大きいので、
業者選びは慎重に行ったほうが良いでしょう。
なお、同じスプレッドの業者が複数ある場合には、
スリッページ(注文レートから離れて約定すること)の大小も考慮しています。
つまり、同じスプレッドの場合には、スリッページの発生しにくい業者のほうを上位評価しています。
一時期のスプレッドの過当競争はやや落ち着き、
各社ともに似通ったスプレッドを提示してきていますので、
差がつきにくいですが、実際に使った際の約定力をかなり考慮しています。
以下では、スプレッドの狭い業者をランキング形式で紹介します。
スプレッド | 業者 | USD/JPY | EUR/USD | EUR/JPY | AUD/JPY | GBP/JPY | ZAR/JPY |
---|---|---|---|---|---|---|---|
0.27銭 |
0.48pips |
0.39銭 |
0.59銭 |
0.89銭 |
0.99銭 |
||
0.3銭 |
0.4pips |
0.5銭 |
0.7銭 |
1.0銭 |
1.3銭 |
||
0.3銭 |
0.4pips |
0.5銭 |
0.7銭 |
1.0銭 |
1.0銭 |
※各社のスプレッドをポイント化してランキングにしています。
なお、ポイントは取引量の多い、ドル円・ユーロドル等の通貨ペアに重みをおいている他、
最小スプレッドの配信率、スリッページの発生割合も考慮して決定しています
※各社のスプレッドは「原則固定」です。
指標発表時など流動性が低下する状況では、一時的にスプレッドが拡大することがあります。
スプレッドとは?
FX会社(証券会社)は、ある通貨ペアについて、
売値(Bid)と買値(Ask)を同時に提示しています。
この価格提示方法を2wayプライスと呼びますが、
売値と買値の差額がスプレッドです。
上記の例では、買値が106.922円に対して売値が106.913円と
0.009円(=0.9銭)の差があり、これがスプレッドです。
証券会社の立場では、スプレッドは手数料収入となり、
取引する者(トレーダー)の立場では、取引手数料(支払い)となります。
つまり、証券会社としては、スプレッドを広くするか、
顧客に多く取引をしてもらうと儲かるわけです。
昔は、取引のスプレッド以外に取引手数料を徴収している証券会社もありましたが、
今は多くの証券会社が手数料を無料としているため、
取引にかかるコストは、スプレッド分のみとなります。
そのため、なるべくコストを抑えたい場合には、
スプレッドを比較したうえで、証券会社を選ぶことが重要です。
スプレッドが広がりやすいときは?
スプレッドが広がりやすいのは、どういうときでしょうか?
大きく2つあるのですが、
- 相場急変時
- 流動性の低いとき
となります。
相場急変時
重要指標の発表後、要人発言、
予測されていないニュースが出たときなどには、
相場が急変することがあります。
相場急変時には、レートの変化が大きく、
証券会社は約定力を確保し、自社の損失を抑えるため、
スプレッドが広がりやすい傾向があります。
相場急変時には、証券会社がリスクをヘッジしている
カバー先の銀行のレートもスプレッドが広がりやすいため、
顧客の取引を約定させるためには、
スプレッドを広げて約定力を確保するしかないのです。
流動性の低いとき
流動性の低いときというのは、
言い換えると売買に参加している人が少ないときです。
週明け月曜日の早朝時間帯には、市場参加者が少ないため
流動性が低くなりますし、
重要指標の発表前には市場参加者が様子見をするため、
流動性が低くなります。
このようなときには、証券会社の提示するスプレッドが
広がる傾向があります。